Postmanの入門から精通へ:よく使われるリクエストヘッダーの詳解
リクエストヘッダーの理解と設定は、Postmanを使用してAPIを効果的にデバッグするために重要なスキルです。ヘッダーは、クライアントとサーバー間の通信を適切な規格に沿ったものにし、接続管理からデータ形式の指定、ユーザーセッショントラッキングに至るまで様々な役割を担います。
APIを扱う際、特定のリクエストヘッダーを必要とするさまざまなインターフェースに出くわすことがあります。これらのヘッダーは、クライアントがサーバーと通信し、適切なデータ交換や認証を実現する上で重要な役割を果たします。本記事では、よく使われるリクエストヘッダーを理解し、どのようにAPIを効果的にデバッグするかについて詳しく説明します。

この記事では、リクエストヘッダーの基本情報、目的、およびAPIテストワークフローにおける役割について明確に説明していきます。
リクエストヘッダーとは?
リクエストヘッダーは、HTTPリクエストの一部としてサーバーに送信されるキーと値のペアです。これらはリクエストのコンテキストやクライアント環境に関する情報を提供し、サーバーにデータの処理や適切なレスポンス方法を指示します。

リクエストヘッダーが重要な理由
リクエストヘッダーを理解することは、APIのデバッグに不可欠です。なぜなら、それはクライアントとサーバーのやり取りの構成に役立つからです。例えば:
- 一部のAPIは、成功するリクエストに適切なヘッダーを必須とします。
- ヘッダーは、クライアントが期待するレスポンスフォーマットをサーバーに伝える役割を果たします。
- 認証トークンやサーバー資源への安全なアクセスに必要な技術情報を、ヘッダーが運ぶ場合もあります。
よく使われるリクエストヘッダー:解説
以下は、PostmanでAPIをデバッグ中によく出会うリクエストヘッダーのリストとその説明です。
1. Host:サーバーの識別
Host
ヘッダーは、アクセスされるサーバーのアドレスを指定します。HTTP/1.1リクエストでは必須です。- 例:
Host: api.example.com
2. Connection:コネクションの管理
- このヘッダーは、リクエスト完了後にコネクションを維持するかどうかを制御します。
- 例:
Connection: keep-alive
3. Accept:レスポンスフォーマットの宣言
Accept
は、クライアントが理解できるレスポンスフォーマット(例えばJSON、XML、HTMLなど)をサーバーに通知します。- 例:
Accept: application/json
4. X-Requested-With:非同期リクエストの識別
- AJAXのリクエストでよく使われ、このヘッダーはリクエストが標準HTTPか非同期な呼び出しかを指定します。
- 例:
X-Requested-With: XMLHttpRequest
5. User-Agent:クライアントの識別情報
- このヘッダーは、クライアントのアプリケーションタイプ、OS、またはソフトウェアバージョンの情報を提供します。
- 例:
User-Agent: PostmanRuntime/7.32.0
6. Referer:リクエストの発信元
- リクエストを参照したページのURLを示します。この情報は分析やセキュリティ目的でよく使用されます。
- 例:
Referer: https://www.google.com
7. Cookie:セッションデータの保持
- クライアントから送られるクッキー情報が含まれており、セッション情報やユーザーのインタラクションをトラッキングするために利用されます。
- 例:
Cookie: SessionID=abc123; UserID=456
8. Content-Type:リクエストボディのフォーマットを定義
Content-Type
は、リクエストボディのデータ形式を指定します。これによりサーバーがペイロードを正しく解釈できます。- 主な値:
application/json
application/x-www-form-urlencoded
multipart/form-data
- 例:
Content-Type: application/json
実践:Postmanでリクエストヘッダーを使ったデバッグ

リクエストヘッダーを実際にどのように使用するかを理解するために、Postmanで特定のヘッダーを使ってAPIをデバッグしてみましょう。
シナリオ:必要なヘッダーを持つPOSTリクエストの送信
1. APIエンドポイント:
- URL:
https://echoapi.example.com/v1/users

2. Postmanでヘッダーを設定:
Postmanを開き、Headersタブに移動して、以下のヘッダーを入力します:
Host: echoapi.example.com
Accept: application/json
Content-Type: application/json
Authorization: Bearer <YourAuthToken>

3. リクエストボディ:
Bodyタブで、以下のようなデータを入力します:
{
"name": "John Doe",
"email": "john.doe@example.com",
"role": "Admin"
}

4. リクエストを送信してレスポンスを確認:
Sendをクリックしてリクエストを実行します。以下のようなレスポンスが返されるはずです:
{
"status": 201,
"message": "User created successfully",
"userID": 12345
}

この例から、必要なヘッダーを追加することで、特定の構成を必要とするAPIとのシームレスなやり取りが可能になることが分かります。
まとめ
リクエストヘッダーの理解と設定は、Postmanを使用してAPIを効果的にデバッグするために重要なスキルです。ヘッダーは、クライアントとサーバー間の通信を適切な規格に沿ったものにし、接続管理からデータ形式の指定、ユーザーセッショントラッキングに至るまで様々な役割を担います。
要点まとめ:
- Host:サーバーを指定する。
- Connection:リンクの永続性を管理する。
- Accept:希望するレスポンス形式を指定する。
- X-Requested-With:非同期リクエストの識別。
- User-Agent:クライアント情報を提供する。
- Referer:リクエストの発信元を示す。
- Cookie:クライアント側のデータ保持を行う。
- Content-Type:リクエストボディの形式を定義する。
これらの主要なリクエストヘッダーとその役割をマスターすることで、さまざまなAPIを自信を持って操作できるようになります。デバッグがスムーズで効率的になり、より良い、信頼性の高いソフトウェアソリューションの提供が可能になります。